アナログシンセサイザーの基本構造を理解する

前回、モジュラーシンセのことを書きましたが、本格的に世界的ブームが再来していますね。いろいろ書いておいて、こう言うと、

「なんでやねん!」

というツッコミされそうですが、白状しますとBehringerの「Neutron」というセミモジュラーシンセを入手しました。

Behringerは最近、いろいろとクローンの機種を発表していますが、こちらはオリジナルです。

前回紹介した「Crave」は$200の価格帯では圧倒的に魅力があるのですが、いつ発売されるか分からないし、入門機よりちょっと背伸びした機種の方が、のちのちの音楽制作に役立つかなと思いました。

で、「Neutron」か「Model D」のとどちらにしようと考えました。巷では圧倒的に「Model D」の評価が高いのですが、出音のバリエーションが豊富な「Neutron」に決めました。

赤い機体というのも見逃せないです。

で、流行りに乗っかって手に入れた「Neutron」ですが、内部結線してあるとはいえシンセサイザーの基本がわかっていないと、なにがなんだか分かりません。

ということで、今回はモジュラーシンセで学ぶ「シンセサイザーの基本」です。

視覚的に分かりやすさを勘案して、iPadの「Zmors Modular」というアプリを使用して解説します。

最後に、iPadのモジュラーシンセアプリを紹介します。

オシレーターで音をだす

まずは動画をご覧ください。

ピーとかポーとなっていますね。笑

オシレーターは音の元となる波形を作り出します。それを出力させただけのものになります。

摘みをぐりぐりすると、音程が変わります。

楽器からは程遠いですが、これで立派なシンセサイザーです。笑

波形には種類があって、一般的に基本はsine、triangle、saw、squareの4種類と言われています。

こちらのアプリでは別種類になっています。

それぞれ日本語の名称がありますが、わかりずらいので覚えなくても良いです。

オシレーターをOSCとかVCOとか表記されますが、VCOとはアナログシンセでの呼び方で、総じてOSCで構いません。

アンプを追加してみる

次に追加するのはアンプです。

VCAといいます。

何をするのかというと、音量が変わります。


まだまだ、楽器にはなってないですね。

フィルターを掛ける。

フィルターは音色を変えます。

種類がありますが、ローパスフィルター(高域をカット)とハイパスフィルター(低域をカット)をとりあえず体感で覚えましょう。

フィルターは倍音をカットするのですが、倍音とはなんぞやといい始めると小難しいのでカットします。(うまいこと言った)

VCFはVCOからの波形の音色をかえるだけでなく、後述のエンベローブやLFOからの信号をモジュレーションすることで、多彩な変化をもたらしてくれます。

シンセサイザーの肝ともいえる部分です。

モジュラーシンセでも色々なパッチを楽しめる部分になります。

MIDI鍵盤とエンベローブを加えて、取り敢えず楽器の完成

MIDIキーボードを追加しました。いよいよ楽器っぽくなりましたね!

MIDI信号ではなく、ここはあえてGateとCVを使ってみます。

CVは電圧の変化でオシレーターのピッチ(音程)を変えてくれます。

楽器は鍵盤を押している間なるものなので、そのオンオフをアンプに知らせるのですが、その前にエンベローブ・ジェネレーターを通します。パラメーターをとってADSRというほうが主流かもしれません。

Attack(最高音量までの時間)

Decay(最大になった音が、減衰して一定レベルになるまでの時間)

Sustain(鍵盤を押している間に持続する量)

Release(鍵盤を離してから音が消えるまでの時間)

という情報をアンプに送ることで、アンプは音量を調整します。

これで、シンセサイザーの基本は完成しました!

まだまだ要素はありますが

まだまだ要素はありますが、基本の鍵盤シンセができたところで、今回の解説はいったん終了します。

機会があれば、今回入手した「Neutron」を使って、詳しくご紹介したいと思います。

iPadのモジュラーシンセアプリ紹介

iPadには今回使用した 「Zmors Modular」 以外にも、たくさんモジュラーシンセのアプリがあります。

Moog Model15


MoogのModel15は実機だと$10,000というお値段で、車が走ってしまいますが、iPadのアプリだと\3,600円♪アプリとしては高額ですが、それだけの価値があります。

音質が素晴らしいです。UIが高級感に溢れています。

パッチングの勉強をしていないと、何をどうすれば良いのか分からないので初心者向けではありません。ネットにも情報は皆無ですが、勉強したらチャレンジしたくなるほど魅力的なアプリです。

このModel 15に特化した解説をすると面白いと思いますが、果たして需要があるのかどうか?笑

Ripplemaker

AudioUnit黎明期から高品質な対応アプリを量産しているBramBosがリリースしているシーケンサー付きのモジュラーです。

かなり破壊的な出音が特徴です。モジュレーションもバッチリ効きますのでいじっていてかなり楽しいアプリです。

モジュールの数はすくなく、すっきりしていますが、やはり構造を理解していないと音はなりません。

Model15程パッチングポイントはないので、試行錯誤はしやすいです。

KQ MiniSynth

入門用としては一番使いやすいアプリです。写真はややこしそうですが。笑

モジュールを自由に追加することができ、今回ご紹介しているアプリのなかでは自由度が一番高いです。

PCのモジュラーシンセだとモジュールを追加するのに課金が必要だったりしますが、こちらは売り切りなので安心。しかも用意されているモジュールの種類がとても豊富です。

各モジュールがどのような役割なのか学ぶのにうってつけのアプリといって過言ではないでしょう。

iVCS3

EMS社が1969年に発売したVCS3をアプリかしたものです。

ビンテージもので、状態により数百万するすることもあるという名機です。

このiVCS3を物理モデルで動かすコントローラーを作っちゃった強者もいる、そんな人から愛されるシンセです。


さて、いままで紹介したアプリはパッチングケーブルで出力と入力を結ぶ方式なのですが、このiVCS3は独特でマトリクスボードにピンをさすことで結線します。

不思議な音色のシンセでインターフェースともども独特な感じがマニア心をくすぐりますね。

アプリのまとめ

これらのアプリは単体でも素晴らしいのですが、AUv3対応、IAA対応しているので、CubasisなどのDAWの音源として利用できてしまいます。なんて素晴らしいんでしょう!

プリセットもたくさん用意されていますので、それらを十分楽しんだのちにパッチングを勉強するのでもOKです。

ただ、iPad pro 2018 11インチで確認していますが、Cubasisでいくつかのアプリで音割れが発生します。フリーズすれば問題ないのですが、最新機種でもCPU負荷は高いようです。

とはいえ、なんといってもiPadのアプリなので、結線をミスってぶっ壊れる心配がないのがいいですよね!勉強にはもってこいです。

どのアプリも入出力のガイドが付いていて、分かりやすく親切です。

おわりに

シンセサイザーは適当にツマミをぐりぐりしてても、音が変化して楽しいですが、音を鳴らすための仕組みを理解して試行錯誤するのはもっと面白いです。

そして、シンセサイザーの基本を学ぶにはモジュラーを勉強すると本質的なことを学べて有益だと思います。

VCOは音を発生させる音源で、電圧により音程を表現できる。

VCFはさまざまなパラメーターを操作することで音色を作る。

VCAは音量を操作する。

これが基本で、諸説ありますが、「音の3要素」といわれています。

この記事が、より深くシンセサイザーを楽しむきっかけになれば幸いです。

Neutronについては、次回レビュー&解説をしたいと思います(未定)