こんにちは。今回から、徐々に本題に入っていきたいと思います。
DTMを始めるにあたって、まずは必要な機材を揃えなければなりません。「DTM機材」で調べると、だいたい以下のようなものが必要と出てくると思います。
- PC or タブレット
- DAW
- オーディオインターフェイス
- モニタースピーカー or モニターヘッドホン
- MIDIキーボード
ひとまず、これらの役割をご紹介しましょう。
目次
PC or タブレット
まずはこれがないと何も始まりません。DTMはコンピューターで作曲することですからね。気になるのはスペックですがDTM初心者として下記のスペック以上あれば十分でしょう。
必須 | 推奨 | |
OS | Windows 7 以降(要64 bit) Mac OS10.11 以降 | Windows 7 以降(要64 bit) Mac OS10.11 以降 |
CPU | Core i 5 1.7 GHz | Core i 5 3.0 GHz |
メモリー | 4 GB | 8 GB |
データディスク | HDD 128 GB | HDD 512 GB もしくは、SSD 256 GB |
Windowsが良いか、Macが良いかは議論があるところですが、手持ちのパソコンで上記の要件を満たしているのであれば、それをそのまま使うことをお勧めします。もし、パソコンを新調するのであれば考慮する点は2点。結論から言えば、動作の安定性を求めるのであれば、Mac。安く買いたいのであればWindowsです。
拡張性はWindowsの方があります。Macの場合は、購入時にほぼほぼスペックは決定します。DTM用途以外にパソコンを使用したいひとは、汎用性のあるWindowsとなるのですが、DTMはパソコンのリソースを多く使うため、動作の安定性が良いMacをお勧めします。パソコンのスペックが低い場合、Windowsではフリーズしたり落ちたりします。
タブレットは断然、iPadです!残念ながらAndroid端末はお話しになりません。後述しますが、iPadで動作するDAWもたくさんあり、PCと連携できるものもあります。自宅ではPC、外出さきではiPadというような使い分けもでき、非常に便利です。
DAW
DAWとはDigital Audio Workstatonの略で、ようは音楽制作するためのソフトウエアです。DTMを行うために、必須のソフトウエアになります。DAWには無料のものや、機材にバンドルされているLiteバージョンのものもあります。動かすハードウエアによって選べるDAWが違います。以下、パソコンで動作するDAWを簡単にご紹介します。iPad用のDAWは別途、特集します!!
Cubase
定番中の定番DAWです。圧倒的なシェアを誇っています。機能・操作性ともにとても優秀です。Windows、Macともに動作します。
無料バージョンが、いろんな製品にバンドルされています。無料バージョンとはいっても、DTM初心者にとっては十分な機能があり、とことん使いこなしてから有料バージョンにアップグレードするので構わないでしょう。
そして重要な点。ユーザーが多いということは、世の中に情報がたくさんあるということです。DAWには非常にたくさんの機能があり、使い方が分からなかったりうまく動作しないときに自分で調べなくてはならないのですが、検索で得られる情報がたくさんあるので解決しやすくなります。また入門書も多数発行されています。道具の使い方を調べるために時間ばっかりかかって、肝心の音楽制作の時間がない!なんて事にならないようにしたいものです。
Vocaloid(ボカロ)曲を作りたいと思っておられる方は、Cubase一択で良いと思います。「Vocaloid Editer for Cubase」というCubase用のボカロエディターがあり、制作環境が統合されるので非常に便利です。またCubase AIが付属されるので、すぐに音楽制作がはじめられます。
CubasisというCubaseのiPadバージョンのアプリがあり、iPadで作成したプロジェクトをPCで続きの作業をする。なんて使い方ができます。
Studio One
Windows、Macともに動作します。無料バージョンでも本格的な音楽制作が可能で、機能が豊富です。実はCubaseの元開発者が作成しており、作業性はCubaseとよく似ています。
Studio Oneの特筆すべきはその音質です。現在のDTM環境では、追加した音源が古い32bitで作成されているものもありますが、それを内部的に64bit演算してサウンドメイクしてくれます。
Cubaseでは、下位互換のために捨てれない機能が上位バージョンでも残っているものがあり、初めて使うユーザーには不可解な部分がありますが、Studio Oneは必要な機能を1からリビルドしておりソフトウエアとして余分がなく、すっきりしています。
また、プロフェッショナル版でも5万円程で買えるので、他のDAWと比較してリーズナブルです。
Logic
Macでのみ動作します。MacやiPadにはGarege Bandという無料のDAWが付属していますが、その上位版になります。
特徴としては、非常にたくさんのループ素材が収録されているということです。すべての音を1から自分で作成するのであれば、ループ素材は必要ありませんが、DTM初心者がすべて自分でするのはかなりハードルが高いです。ループ素材があれば、それらを組み合わせて楽曲制作ができます。
また、ドラムパートを簡単に作成できる「Drummer」機能は、ドラムに詳しくないひと(楽器が弾けないひとならなおさら)にお勧めです。
そして、非常に安いです。プロで2万4,000円程です。新たにMacを買おうと思われる方は、一緒に購入されると良いと思います。
Ableton LIVE
Windows、Macともに動作します。ダンスミュージック寄りの音楽制作に向いています。短いループ素材を作り、それを並べて楽曲制作していきます。バンド形式のロックやポップスなどの歌ものには向いていないかもしれません。
コントローラーが各社から販売されており、操作性は良いです。また、それらのコントローラーでDJのような遊び方ができます。iPadでもコントロール用のアプリがあり、音で遊ぶという点に関しては非常に高性能なDAWであると思います。
実は、楽器が弾けないDTM入門者には、私はLIVEをお勧めします。その理由は・・・また後日。
オーディオインターフェイス
オーディオインターフェイスには2つの役割があります。
- ギターやベース、歌などを録音して、PCで扱えるようにデジタル化する。
- PCで作成されたデジタル音声データをアナログ変換して、スピーカーやヘッドホンに出力する。
さて、ではなぜPCに付属のマイクやスピーカーではだめなのでしょうか?これには理由があって、PCに付属の音声周りの機器は音楽制作用に作られていないからです。いくら高価なPCとDAWを用意しても、音声入出力が悪ければ、良い音で録音できませんし、劣化した音しか聴けません。
音楽制作をするということは、作成した楽曲がどのようなものか、正確に把握する必要があります。そのためには後述するモニタースピーカーやヘッドフォンにつなげるためのオーディオインターフェイスは必須アイテムになるのです。
もうひとつ、レイテンシー(処理の遅延)の問題があります。楽曲を作成する場面では、今まで作ったものを再生しながら、MIDIの打ち込みをすることがあります。処理の遅延が発生すると鳴っている音と打ち込むタイミングがずれるため、使い物になりません。デジタル-アナログ変換をオーディオインターフェイスに任せることで、レイテンシーをできるだけ少なくすることができます。
楽器が弾けないDTM入門者にとって、楽器のオーディオ録音やレイテンシーは関係ないように思われますが、再生音の高質化はできる限りした方が良いでしょう。
楽器の録音をしないひとには裏技があります。もし音楽がお好きでDACお持ちであれば、それで事足りてしまうのです!DACとは、Digital Analog Converter の略で、デジタル – アナログ変換をしてくれます。持ち運び用のポタアン(ポータブルアンプ)などがそうです。外部入力こそできませんが、PCの代わりに信号の変換をハードウエアでしてくれるので、音質とレイテンシーの問題を解決してくれるのです!
私はながらく、JVCの「SU-AX7」というポタアンをオーディオインターフェイス替わりに使っています!全く問題なしです!
モニタースピーカー or モニターヘッドホン
先述しましたが、音楽制作には作成した楽曲がどのようなものか、正確に把握する必要があります。そこで必要になるのが、モニタースピーカー or モニターヘッドホンです。「モニター」とは原曲の音を忠実に再現することを意味します。一般的な、リスニング用のスピーカーやヘッドホンは聴くひとの好みに合わせて、いわゆる味付けがされています。これがDTMの場合、正確な音を把握するのに邪魔になってしまうのです。
音の再現性を考えると、できればモニタースピーカーが欲しいところですが、音が出せない環境であればヘッドホンでもOKです。
モニターについては、「DTM初心者に知ってもらいたいモニター環境」で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
MIDIキーボード
MIDIの打ち込みに使うキーボードです。マウスでピアノロールに打ち込むことはできますが、これがあるとMIDI打ち込み作業は飛躍的に向上します。
楽器が弾けないひとは関係ないと思われますが、むしろ楽器が弾けないひとこそ必要な機器です。鍵盤を叩いてみて、どの音がでるのか確認しながら作業すると作曲がはかどります。また、鍵盤をたたいて音を聞くことで音感も鍛えることができます。
最近はBluetoothで接続できるものもあります。DTM環境はどうしてもケーブルだらけになりますので、地味にBluetoothは便利です。
楽器が弾けない人がDTMを始めるのに必要な機材
以上が一般的なDTMに必要な機材となります。
以下は私の独断と偏見で、楽器が弾けない人がDTMを始めるのに必要な機材を紹介します。
じゃじゃん!!
- iPad
- モニターヘッドホン
以上!!!
楽器が弾けない・作曲も初めてだけど、音楽理論はバッチリ分かっているよ!ってひとはそうそういないと思います。作曲したいと志をもってDTMを始めようとされていると思いますが、DAWをいじるより前にある程度、音楽の事を知る必要があります。
iPadには音楽系のアプリが豊富にあります。まずそれらを使って音楽の勉強をし、ある程度理解したらiPadのDAWを使ってみればよいでしょう。
PCでDTM環境を構築しようとすると、簡単に数万円単位で予算が必要になりますが、iPadアプリであれば数千円で済みます。しかも、iPadアプリであっても高機能なものが多いです。
iPadのDAWを使いこなせるようになってから、PCのDAWに移行するのは遠回りのように見えますが、私の経験上、これが一番挫折しない方法だと断言できます。
iPadは別に最新のものでなくても構いません。iOS11が動く、つまり64bitのCPUを持つ端末(iPad Air以降)であれば大丈夫です。実際、私はiPad mini 2を利用しています。
*古いiPadでも快適に利用する方法は、後日アップします。
ヘッドホンはできれば、モニターヘッドホンを買っていただきたいです。数千円の安いやつからありますが、ヘッドホンは後々活躍する資産となりますので、2万円程度のものを買えればよいと思います。私はaudio-technicaの「ATH-M50x」というヘッドホンを使っています。
iPadで完結する作業をしている場合に限って言えば、オーディオインターフェイスやMIDIキーボードはまだ必須ではありません。
まとめ
一般的なDTM機材を揃えて始めようと思っても、挫折するパターンが多いです。楽器が弾けないひとはとくに難しい。いままでなんとなく聞いていた音楽を知り、学ぶことで作曲の第一歩とすることが非常に重要だと考えます。(とは言っても難しいことはありません)
そのための端末として、また楽曲制作のツールとしてもiPadは非常に有用です。
次回からは、iPadで音楽を楽しく学ぶアプリなんかを紹介していきたいと思います。
でわでわ。